博士を取得するためには?

 

博士を取得する方法

 博士を取得するするためには大学を卒業後,大学院でさらに5年間勉強しなければならない.ただし,この5年間は大学の時のように,授業に出席し単位を取得すれば自動的に博士の学位が与えられると言うものではない.大学院の5年間でしなくてはならないこと,それは何においても「研究」である.(もちろん大学院でも授業はあるし,その授業も卒業要件の一部になっている大学がほとんどだと思うが…)博士を取得するためには,大学院で専門的な研究をこなし,研究成果を「博士論文」にまとめる必要があるのである.博士論文とは,世界中の誰もがまだ研究したことのない,その分野の最先端の研究結果をまとめ上げた論文である.博士論文を大学の教授陣に査読してもらい審査に通過することでようやく博士の学位を得ることができるのである.

 大学の研究科ごとに博士取得の要件は異なるが,どのような大学でも「博士論文」の提出は必須である.もしかしたら「英語の論文を国内 or 海外の専門誌で発表する」「教授達の前で研究成果を口頭発表する」などといったことが,学位取得の必須条件になっている研究科もあるかもしれない.

理系の博士取得

 工学,理学,農学,薬学などの理系研究科で博士を取得する場合は,研究科の研究室に所属する必要がある.所属した研究室では,世界のどこにもなかった新しい技術を開発したり,世界の誰もが解けなかった現象を解明したりするようなその分野の最先端の研究を行う.研究テーマは,研究室によっては教授が与えてくれることもあるが,場合によっては自分で研究テーマを設定することもある.研究室ではその分野の専門家たちが集まって議論する学会に参加したり,海外の専門誌に論文を投稿したりしなが研究活動をすることになる.

 このような研究活動を大学院で5年間続け,研究成果を博士論文にまとめ,教授陣の承認によって博士取得に至るのは上述した通りである.しかし,実はこの研究生活は5年間で終わるとは限らない.思ったような研究成果が出なかったり,博士を取得するだけの研究成果がないと判断された場合は,さらに数年間かけて研究しなければならないこともある.正直その辺のさじ加減は所属している研究科の教授陣の判断によって決まることが多い気もするが,博士取得に対して厳しい研究科では8年とか9年とかかからう場合もある.

文系の博士取得

 文系の博士取得は正直いって理系の比じゃないくらい難しい.大学院の5年で取得する人はあまり多くない.大学で働いている助教や准教授,下手したら教授でさえも博士を取得していない人が大勢いるくらいだ.これは個人的な考えだが,文系と理系では博士に対する考え方がちょっと違う.理系の博士は研究者としてのスタートラインだが,文系の博士は生涯をかけた研究成果の結果なのだろう.最近は文系でも博士を取得し訳すなったとは聞いているが本当だろうか…

 僕が以前知り合った哲学の博士取得を目指す女性の研究者は,ドイツまで哲学を勉強しに留学していた.理由は,読みたい哲学書がドイツ語だったため.和訳版も出版されているのだが,本当に著者が伝えたいことは原本で読まないと理解することができないのだそう.ドイツの大学の有名な教授に師事し研究を続けているようだが,彼女は今頃博士を取得しているであろうか…(僕が理系博士なので,正直文系博士の情報は信ぴょう性に欠けると思います.どうかご容赦ください…)