研究室選びで間違えないために

 

研究室ってどこでも同じ?

 同じ研究科の研究室ならどこの研究室を選んでも大差ないと思ってしまいがちだが,絶対そんなことはない.大学や研究科にも違いがあるように,研究室にも明確な違いが存在する.どっちの研究室の方がランクが上だとかを明確に決めることは,偏差値のような同じ尺度で測れる物差しがないので難しいが,論文数や研究費などいくつかの目安となる指標はあるように思う.こんな研究室には気をつけた方がいいということも含めて,研究室を見極めるポイントを紹介したいと思う.

研究室を見極めるポイント

1.研究成果が継続的に出されているか?

 研究室の研究成果といって一番に思いつくのは,何と言ってもやっぱり論文数だろう.論文が毎年コンスタントに出ている研究室は,それだけ生産性が高く研究成果を出し続けている証拠である.自分がその研究室に配属したときに,どれぐらい頑張れば論文を出すことができるかというイメージがつきやすい.博士取得のためには論文数が重要になることが多いため,論文をコンスタントに出している研究室を選べば,論文数で頭を悩ませなくて済むだろう.

2.教授,助教などのスタッフは人格的に問題ないか?

 研究室で一番の権力を持っているのはどう考えても教授である.研究室内の人事権,企業とのコネクション,研究費の獲得力というような絶対的な力を持っていることが多い.このような強大な力を持つ教授の人柄には,細心の注意を払いたい.また教授と同様に,直接指導を受けることになるであろう准教授や助教の人柄も重要である.研究室によっては,教授は講演や大学の仕事で忙しく,あまり研究室にいないということもある.自分を直接指導してくれる人が,しっかり指導してくれるか,親身に悩みを聴いてくれるか,ハラスメント問題を起こしていないかなど,しっかりと見極めた方が良い.配属されるまでどんな人柄かはわからないことも多いが,そんな場合は研究室の先輩に話を聞いてみるなどした方が良い.

3.学生はやる気に満ちているか?

 一緒に研究をする仲間である学生のやる気は重要である.やる気がない学生と一緒に実験をしてもなかなかモチベーションを維持するのは難しい.競い合う相手がいるからこそ頑張れるというものだ.昼過ぎにならないとこない学生や,来てもずっと寝ていたり喋っていたりしていて研究に不真面目な学生が多い研究室では,いかに教授達が優秀であっても研究成果は望めないであろう.

4.研究費が潤沢な研究室かどうか?

 あまり気にしなくてもいいかもしれないが,研究費の潤沢さも研究室を見極める一つのポイントになる.研究費を獲得できるということは,国や企業から研究成果が認められており,今後の研究が期待されているということである.実験系の研究室だったら,最新機器の導入や,装置数が増えることで,実際に実験を行う学生の負担が減るというメリットもある.

5.海外からの博士学生・ポスドクがいるか?

 外国人博士学生やポスドク研究員の存在も一つの指標になる.外国人が所属しているような研究室は,世界的にある程度の知名度があることを示しているだろう.海外から見ても魅力のある研究を行っている研究室である可能性が高い.(単に大学名だけで選ばれたのかもしれないし,たまたま入学できた・採用されただけかもしれないが)